「前の病院ではレントゲンで異常ないって言われました」と言う患者さん、たくさんいらっしゃいます。
とくに肩が痛い人に多いです。
「異常がない」とうのは大変難しい表現だと思います。
50歳過ぎたら誰でもレントゲン撮れば、何らかの変形なりズレなりあったりします。
軟骨も少しはすり減ってるかもしれません。
骨折でもあればもちろんスゴイ異常なのですが、異常ではないけど、でも若いころに比べれば少しは変形してるし、と言うようなことは多々あります。
異常ではないかも知れないけど、正常とも言い難いけど・・・・・
あまり深く考えていくと、「異常とは何ぞや」、という深淵なテーマになってしまいます。
異常の定義とは?
患者さんの訴えの直接的な原因となっている変形や変化がレントゲンであれば、それは異常ですと説明していますが、レントゲンでの変形やズレが症状の直接的な原因でないと考える場合は、異常と説明して余計な不安を与えてもいけないし、でもなるべく正確に情報提供しないといけないしと、未だにジレンマがあります。
患者さんによっても、いろいろ聞きたい人と、余計なことは言って欲しくない人と。
患者さんによって、考え方や理解度も異なります。
説明をするときに、患者さんの顔をみながらこの人はどういう説明を聞きたいだろうか、少しの異常でもあったら聞きたい人なのか、スゴイ異常だけ指摘して欲しい人なのか、結局その都度、患者さんごとに決めている感じです。
でも自分としては、命にかかわるような重大な異常や、今後症状がすごく悪化するような異常でない限りは、「大した異常はないですよ」というところから話していきます。
まず、それで安心してくださる患者さんもいらっしゃいます。
きっと、何か重大な異常があったらどうしよう、という不安を抱えてクリニックにいらしたのだと思います。
そして、その後に、原因となる異常があればそれについて、さらにもっと小さな異常について説明していきます。
医者の私からすると、異常がないレントゲンなんて見たことないと思ってしまいます。
ただそれが、何か症状に関連するものなのか、今後悪さをするものなのか、無視できるほど小さいものなのか。
どこまで説明すべきか。
医者になって20年経った今でも悩んでしまいます。
異常について、うまく説明出来ていなかったらすいません・・・
こんばんは🌇
毎回 先生のお話 楽しみにしております。
お忙しいなか病状の説明ありがとうございます。